【旧ブログ・窓際の小さな自転車】
長女は小学校3年生の時にADHDと診断されました。
ほぼADHDですが、こだわりが強い面が一部に見られたので、診断名は広汎性発達障害です。
診断したのは、児童相談所から紹介された小児精神科医、長女の主治医です。
「親が変われば子も変わる」という考えを持ち、多くの発達障がいの子ども、不登校の子ども、悩める親を救ってきた先生でした。
子どもを毎回クリニックに連れて行かず、 (学校を休むことになるので)
受診は親だけでもよかったので、長女は受診していません。
注:クリニックを訪れる子どももいましたので、全ての患者がそうだったとは限りません
主治医は、長女に薬は必要ないと判断しました。
長女が困っていること、私が困っていることを、私と主治医で一緒に考えて対応する事にしました。
生活の上での小さなことから、学校の宿題をこなす方法まで、主治医は丁寧に答えてくれました。
追い詰められていた私は、長女の発達障がいと向き合うようになり、子育てへの価値観も随分と変わり、少しずつ子育てに希望を持つようになりました。
薬を一度も飲まないまま20歳になった長女。
生きにくさはあるものの、自分なりにADHDの特性に工夫をし、大学に通いながら一人暮らしをしています。
写真は、主治医のクリニックを初めて訪れた日に頂いた冊子です。
「えじそんくらぶ」の冊子でした。
この冊子の中に「薬にできること・できないこと」が書かれています。
えじそんくらぶのサイトのリーフレットから、無料でダウンロードできます。
興味のある方はご覧になってみてください。
グレーだった二女は2歳から薬を飲み始めました。
生まれたときから、長女とは違う育てにくさがありました。
保育園に通い始めたころは、毎朝、癇癪を起して、家中の絵本を朝から投げ散らかし、些細なことで泣き叫んでいました。
「あまりの癇癪に耐えられません。いつか2歳の子の顔を、思いっきり叩きそうな自分が怖い」と、主治医に相談し、癇癪への対応として薬を飲むようになりました。
二女は赤ちゃんの頃から「寝ない子」でした。
気持ちを安定させる薬を、夕食後に飲むことで、薬の副作用として眠たくなり、きちんと睡眠が取れるようになり、朝、気持ちよく起きてくるようになりました。
薬を飲み始めた二女が、穏やかな表情で「おはよう」と起きてきた姿は、今でも忘れられません。
薬を飲みながら、二女は療育に通いました。
(クリニックでは療育をしていなかったので、主治医の勧めで、クリニックを辞めて療育に切り替えました。)
小学校に入る前に、保育園の先生から「とても落ち着いているので薬は必要ないのではないか?」と、言われ、療育の先生と相談して薬を飲むのをやめました。
~ 発達障がいと薬について 思う事 ~
今私は、精神安定剤を処方してもらって仕事をしています。不安な気持ちが薬で完全に解消されるわけではありませんが、頓服として必要ですし、気持ちが楽になるのは確かです。
薬を飲むこと、飲まないこと、どちらも一つの方法だと思います。
子どもとお母さんが穏やかでいられる為に、必要な時もあるはずです。
辛い時は、薬の力を借りる事も大切だし、今は必要ないと思うなら、薬を飲まないのもありだと思います。
信頼できる精神科医や、カウンセラーと相談しながら、子どもにとって最善な方法を考える中で、薬を飲むのは選択肢の一つだと思います。
子育ては、十人十色で正解はありませんし、それぞれの子どもに合った支援が一番大切なんだと思います。
発達障がいの子どもを育てる親の心は、とっても傷ついています。
学校の先生から子どもの事を言われて凹むことなんてしょっちゅう。
そのうえ、躾がなっていない親だと非難されることもあります。
何よりも大切なのはお母さんと子どもが穏やかに過ごせること。
私と長女は親子喧嘩もひどかったし、ぶつかり合う事も多かったけれど、今は長女に助けられるようになりました。
長くて暗いトンネルも、必ず出口があります。
今、一生懸命、お子さんに向き合っているお母さんが、笑顔でいられることを祈るばかりです。
二女の療育の時に知り合った方がいます。
その方のお子さんは、小学校低学年までは教室から脱走したり、いろいろ大変でした その方が言うには……
「薬を飲むようになって、本当の子どもの姿が見られるようになった」
脱走や、うまく出来ないことが、薬を飲むことでスムーズにいくようになり、その子の本来の姿が見られるようになったという事です。
私はその話を聞いて衝撃を受けました。
長女は薬を飲まなくていいと精神科医に言われ、
長女の発達障がいから起こる、色々な困ったことも含めてそれが長女の本当の姿であり、個性であると、思って育てていたからです。
そして思いました。
薬に対する考えは、子どもの数だけあっていいはず。親の数だけあっていいはず。
私もその方も、辛いことを乗り越えて一生懸命に子育てをしてきた。
どちらも子どもの事を第一に考えて、クリニックやスクールカウンセラー、同じ悩みを持つ友人や理解ある担任に相談し、手探りでここまで来た。
その子育ての歴史は、どちらも大切な歴史であり、子育ての正解なんて、だれにも分からない……
長々と、思っていることを書いてみましたが……
発達障がいの子育ては、「みんな ちがって みんな いい」この言葉が一番ピッタリだと思います。
子育てが、長く暗いトンネルの様に思えても必ず出口があると信じて。