【旧ブログ・いつでもJUMP!ときどきWALK?】
杉山登志郎先生の講演会に行ってきました。(2012年12月の記事です)
講演会で感じたこと、思ったことの感想です。
個人のあいまいな記憶ですので、正確ではないかもしれませんがご了承下さい。
自分の備忘録として残しておこうと思います・・・。
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浜松医科大学の杉山登志郎先生、話し方が穏やかな先生でした。
発達凸凹という言葉を考えた先生です。
私もそのことだけは知っていました。
(私もブログで凸凹という表現を使用させてもらっています)
先生は「発達障害」「発達障がい」どちらも言葉にすると、親はとてもショックを受けることから、凸凹という表現を思いついたそうです。
講演会では、アスペルガーの子どもを猫に例え、定型発達の子どもを犬に例えてお話しされていました。
実際に、「アスペルガーの子どもの特徴を、ネコの写真に合わせた本」も写真で紹介されました。(海外の本のようです。日本語訳された本はまだ販売されていないのかな?見つけられませんでした)
分かりやすくするため、先生のお話したことは色をつけて表示します。
アスペルガーの子ども達はネコ。
凸凹の度合いが大きい、小さいに関わらずネコはネコ。犬になることはない。
というお話しがありました。
IQが70未満であっても、小学校4年生程度と考えられるので、社会的な適応を損なわないのではないか。
親の意向で通常学級or特別支援をきちんとうけた場合、そこで違いがでてくるケースもあるそうです。
先生が終始おっしゃっていたのが「早期発見・早期療育」でした。
また、アスペルガーのお子さんの両親には、鬱病の方が多いそうです。
この場合、親の鬱病にも気をつけているそうです。先生は、親子で療育を受けることを薦めていました。
凸凹を個性と、とらえてはいけない。
凸凹独自の認知にあわせ、独特の対応が必要だそうです。
この場合の独特の対応は、療育や、特別支援学級での援助だと思いました。
定型発達の子→犬
アスペルガーの子→ネコ
ネコの特徴(アスペルガー)
*人に合わせるのが苦手
*こだわりが強い。先の予想が出来ない。
*一人で行動する
*人を求めていないわけではない
*犬よりも柔軟な学習能力を示すことがある
ネコ(アスペルガー)は負の強化因子で、躾ができない。
では、躾をするためにはどうしたらよいのか?
良い行動をした時に褒める!やっぱりこれが一番のようです。
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「学校について・・・・」
学校は、社会的な練習の場として一番適しているので
行ったほうがいい。大切。というのが先生の考えでした。
でも、長女もそうでしたが、学校での辛い体験(イジメなど)を引き金に
登校したがらない子どもさんもいますよね。
定型発達の子の場合、「行く気になるまで待つ」という対応もあるが、アスペルガーの場合は、行く気になるまで待っていたらずっと行かない。
アスペルガーの場合は、積極的な対応が必要。
積極的な対応とは、「担任教師の家庭訪問など」とおっしゃっていました。
積極的な対応を、詳しくお話はされなかったと記憶していますが、
行く気になるのを待っている方法は向いていない。との事でした。
学校に行きたくなくなった理由を明確化させるのも一つの手段だそうです。
勉強についていけなくなった。分からなくなった。という原因も理由の中に含まれていることが多いそうです。
その場合、普通学級にこだわらず、子どもが分かりやすいレベルに合わせる。支援学級を選ぶ事なども、大切だそうです。
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一番「その通り!」と、頷いたのが
愛着形成が他の子どもに比べて遅れているという話しでした。
小さい頃は、ちっとも親のほうを見なかった子どもが、小学生になるとベタベタしてくるのは、愛着形成が遅れてやってくるからだそうです。
長女はまさにそうです。
小さい頃は、転んだ時、ほかのお母さんのところへ行ったりしていました。
私は本当にショックで、私の何がいけないのかと、自分を責めていました。
ところが、小学生中学年頃からはママっ子。いつもベタベタ。
二女が生まれたことが原因かと思っていましたが、6年生の今でも、隙を見ては甘えてきます。
正直、大きな体の長女が甘えてくると「めんどくさい~」と、思っていましたが、ちゃんと受け止めてあげないといけないようです。
愛着形成が遅れることは主治医の小児心療内科の先生も言っていました。
「もしかしたら中学になってもベタベタ甘えてくるかも知れないけど気持ち悪がらずに、受け止めてあげてね」と。
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「告知」ついて
告知はしたほうがよいそうです。
時期としては、小学校中学年と、高校生の2回だそうです。
小学校中学年 → 敬語が使えるようになった頃。
敬語を使えるということは、自分と他人との違いが分かってくる頃だから。
高校生 → 自由になり、開放的になる高校生の時に、きちんと発達凸凹についてもう一度話したほうが良い。
今までのことを振り返り、これから起こりうる事を考えるため。
(長女は5年生の時に告知しています。)
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気になるデータ……
非行に走る凸凹の子ども、そのデータが出ていました。
資料が手元にないのですが……
平均10歳ころに凸凹の診断を受けた子どもと、平均5歳ころに診断を受けた子どもでは、早く診断を受けた子どもの方が、非行に走る可能性は低かったです。
それは、小さい頃から療育や適切な対応をしてもらっているかとの事でした。
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体罰について
質問タイムに尋ねた方がいらっしゃいました。
「子どもが不適切な行動をした時に、凸凹から来る行動なのか、分からないとき。
叱るべきか。叱らないべきか」
先生の答え……叱らないことは不可能。けれども、体罰はやめたほうが良い。
「もう、実は子どもを叩いてしまいました。体罰を与えてしまっています。そういう時はどうしたらよいでしょうか?」
先生の答え……あっさりと、謝ってください。でした。
先生の講演会で「虐待」の話や、虐待から起こるデータを基に、虐待はしてはいけない。というメッセージが多かったです。
私自身、虐待をしていないか。と自分を振り返ると「した事はありません」と胸を張って言えません。きっと、長女にとってはそうだったでしょう。
体罰を与え、親子で泥沼にはまったような時期がありましたから。
凸凹を持つ子どもの子育ては、本当にいろんな事があります。
親だって人間です。感情的になる事もありますしノイローゼのようになってしまうこともあります。虐待しようと思って体罰を与えるのではないです。
でも、毎日繰り返される育てにくさに、私も行き場がなくてつい、手が出てしまうことがありました。(当時の長女は、まだ未診断でした)
でも、やはり、それは子どもの心に深い傷を残してしまうのですね。(特に凸凹の子どもは)
でも、そのときは謝る。謝ることでお互いの心の傷が少しでも癒えるなら、謝ったほうが良いですね。
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購入した杉山先生の本「発達障害の子どもたち」
先生が、はじめに読むならこの本とおっしゃっていました。
杉山先生の本はたくさんあるので、この本から読み始めています。
今回の杉山先生の講演会で私の心に残ったのは、愛着形成が遅い凸凹の子ども達。
長女は今まだ、うんと甘えたい時期なんだと、再確認しました。
小学生は「子どもが子どもでいられる最後の時期」と、何かで読んだ記憶があります。
甘えてくる間は受け止めてあげようと思います。
それと、子育ての基本は「褒めて育てる」が基本です。
分かっているのですが……ついつい、注意してばかりしてしまいます。
出来ないことばかりに目が向いてしまうことがあるので、出来たことを見つけて褒めてあげようと改めて思いました。
そして、体罰は決してプラスの効果を出すことはない。
当たり前のことですが、改めて、肝に銘じました。
購入した杉山先生の本「発達障害の子どもたち」
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